1947-12-07 第1回国会 参議院 財政及び金融委員会 第50号
○政府委員(河野一之君) これは從來から一般陸上勞務者と海上勞務者とは區別せられておるのでありまして、主として沿革的な理由ではございまするが、陸上勞働に比較いたしまして海上勞働が多少特殊性がございます點で、その保護が或る程度陸上より海上の方が厚くなつております。標準報酬と申しますか、一般の給與の點についても厚くなつておりますし、それから災害補償その他についても厚くなつております。
○政府委員(河野一之君) これは從來から一般陸上勞務者と海上勞務者とは區別せられておるのでありまして、主として沿革的な理由ではございまするが、陸上勞働に比較いたしまして海上勞働が多少特殊性がございます點で、その保護が或る程度陸上より海上の方が厚くなつております。標準報酬と申しますか、一般の給與の點についても厚くなつておりますし、それから災害補償その他についても厚くなつております。
しかしながら、海上勞働者たる船員保險の被保險者に關しましては、陸上勞働者と異なる特殊な勞働事情を有する點に鑑みまして本保險の被保險者より除外いたし、船員保險中にこれを吸收することといたしました。
これは話が外れますけれども、單に海上勞働者の生活が、物質的に計量される面で非常に苛酷だというばかりでなく、それに結び付けて、この間の姦通罪廢止の公聽會なんかに、九州の方から船員の代表がわざわざ出掛けて來て、姦通罪廢止時期尚早論を話しておりましたが、私は姦通罪廢止時期尚早論には反對ですけれども、姦通罪は廢止すべきものであると考えます。
最初の船員保險行政を移管いたしました理由といたしましては、仰せの如く現在の海事行政は綜合的に行われておりまして、船員行政は海上勞働行政といたしまして、國際的にも國内的にも、沿革の上から申しましても、又法制の上から申しましても、その制度が確立されております。船員保險は元來船員という特定勞働者のみを對象とした勞働保險でありまして、海上勞働者の疾病、養老、災害というようなものを保險をいたしております。
また局長は勞務行政については今までの通りにしておくということでありますけれども、海員組合が反對するということは、たとえば海上勞働の問題を陸上の勞働者に一緒にするということは、特殊事情があるから一緒にできないということで二元的になつておるのでありますが、この農林省に属する漁船に乗組むところの船員、あるいは漁船に乗組む漁夫の問題も農林行政と非常にマツチするのであります。
先般海運組合の問題のときに承つたと思つておるのでありますが、海上勞働者は陸上とは違うのであつて、海上は萬國的に特殊な組合法によつておるという御説明であつたように思う。今ここで官廳分課規程というものを見ておつたのでありますが、この中の農林省漁船課について「第二十六條、漁船課に於ては左に掲ぐる事項に關する事務を掌る。
私どもの方といたしましては今後におきまして、この海上勞働の保護という見地から、船舶の保健設備その他につきまして、十分監督をしてその全きを期したいと考えます。
また過去の歴史においても、國際勞働會議においては、陸上勞働問題と、海上勞働問題とはいつも別々にやつていたという點を力説し、やはり今日の段階においては、分けることがむしろプラスの點が多いだろうという所見をもつたので、ああいう處置をとつたのであります。
これによりますと、海上勞働は工場勞働とその性質を根本的に異にしているから、海上勞働法規を監督している機關で統括して實施した方がよろしい、こういうような勸告も採擇されておるような次第であります。かような國際的な勸點からいたしまして、欧米諸國におきましても、海員の勞働行政は海事官廰においてこれを行つておるような次第であります。